アクエリ大会レポートSS風１（6/28大宮オーガ公認エクストリームスタイル）


プロローグ

日も落ちてやや薄暗くなった街の裏路地を一人の女性が歩いている。
歳は10代後半から20代前半といったところ。
180cmはあろうかという長身とその腰まではある漆黒の髪が夜の闇の中でひときわ異質な感じを放っていた。
…ふと彼女が足を止める。
彼女の目の前にはいつの間にか一人の男と、複数の少女たちがいた。
「ボクに何か用？…って聞くまでもないか。」
男が手を伸ばすと、不可視の力が彼女の精神を襲った。
マインドブレイカー、他者の精神を破壊し、支配し、覚醒させる力を持った能力者。
混沌の時代「アクエリアンエイジ」を象徴する存在。
だが男の精神支配は失敗に終わる、なぜなら…
「残念、ボクもマインドブレイカーなんだよね。」
マインドブレイカー同士が出会うこと、それはすなわち、戦いの始まりを意味していた。

一回戦

「とりあえず手近な能力者たちを支配しないと…。」
彼女はあたりの気配を探ってみる。
戦いの予感からか、MBの力に惹かれたかはわからないがあたりには能力者たちが集まり始めていた。
相手MBもまずは力を蓄えることに徹する。
「相手は巫女さんが多そうだね、ならダークロアの子達が相性いいか、ボク自身とも相性いいし。」
彼女は辺りにいたダークロアの能力者の中で、一際力を感じた一人を支配、覚醒させた。
急激に周囲の温度が下がった。
「うわっ、さむっ！」
雪女“雪乃”、その吹雪は戦場すべてを巻き込んだ。
「なかなかの力だね…へくちっ！もう少し吹雪に指向性があればいいんだけど。」
そう彼女が言うと、雪乃は相手の支配下の能力者たちにさらに強い吹雪をお見舞いした。
雪乃のこの力のため、相手は思うように身動きが取れない。
「…えぐい能力だなぁ。でも殴りあうには向いてなさそうだね、誰か適任は…。」
彼女が再びあたりの気配を探ろうとしたとき、なんとも場違いな声が響いてきた。
「わんわんわん！こっちから怪しいにおいがするっス！」
「だから引っ張るなー！」
四つんばいで走ってくるワーウルフ…というより駄犬と、それに引きずられているのは…
「あれ？君は確か…ダークロアの“よるはねこ”さん？」
「誰が“よるはねこ”だ！」
「ごめんごめん、“よはねす”さんだっけ？」
「そんなわけあるかー！ってかわかっててぼけてんだろ！」
「ははは、久しぶりだね“ようこ”さん。」
そう、彼女はダークロアの吸血鬼“夜羽子・アシュレイだった。
「…あんたもあいかわらずねー、で何してんの？」
「それはボクが聞きたいとこだけど…とりあえず戦闘中。」
そこで彼女は何かひらめいたように。
「ちょうどいいや、この子貸してくれる？」
それを聞いた夜羽子は、やっと厄介払いができるといわんばかりに。
「どうぞどうぞ、そのまま返してくれなくていいから。」
「そんな、ご主人様ひどいッス！ぽちはいつでもご主人様と一緒っス！」
「…夜羽子さん、そんな趣味だっけ？」
「ちげー！あんたと一緒にすんな。とりあえず首輪付け替えてよ。」
「首輪…あーなるほどこれつけた人をご主人様って認識するのか。」
彼女は駄犬…もとい“ぽち”の首輪をつけかえる。
ぽちはうっとりとして、
「これでぽちは心も体も新しいご主人様のものっス。」
「あーこれでやっと解放される、それじゃ後よろしく！」
夜羽子はさっさと夜の闇に飛び立ってしまった。
「手伝ってくれてもいいのに…さてぽちこれからよろしくね。」
彼女はぽちの頭をなでる。
「わんわん！ぽちご主人様のために頑張るっス！」
そんなこんなやっていると、また新たな気配を感じた。
「…覗き見はよくないなぁ美鈴さん。」
「覗き見なんて…たまたま通りかかっただけです。」
「じゃあその手のカメラは何？」
「あなた達のスキンシップをあとでじっくり鑑賞するためです！」
「うわ、言い切ったよこの人…。」
こんな馬鹿なことを堂々というのは、厳島美鈴、阿羅耶識の守護霊である。
霊になった分、趣味の百合シチュ撮影にさらに磨きがかかったようだ。
「…まぁいいけど。とりあえず手伝ってくれない？」
「いいですけど、私を覚醒させる力が足りないようですが…。」
そう、美鈴を覚醒させるにはもっとほかの阿羅耶識の能力者たちを支配する必要がある、はずなのだが。
「ならぽちに任せるッス！」
ぽちの力と彼女の力、そして美鈴の力が共鳴し、美鈴が覚醒する。
「おーこれは便利だね。よしこれで準備は十分、で相手はと…。」
戦闘中なのにかかわらず間の抜けたことをやっていた気がするが、相手はまだ雪乃の力で動けずにいた。
「えぐい…じゃあぽち、美鈴さんよろしく。」
雪乃の力でまともに動けない相手に勝ち目があるはずもなく。
戦いは幕を閉じた。
「よし、久しぶりの戦いの割にはうまくいったかな。」
「それでは私はこれで失礼します。」
「うん、ありがとね美鈴さん。」
「…カメラ没収しないんですね。」
「別にボクは気にしないし。その写真見て美鈴さんがニヤニヤしようが、一人で変なことしようが関係ないしね。」
「変なことはしません！」
「ニヤニヤはするんだ…」
こうして美鈴と別れた彼女とぽちは再び夜の街を歩き始める。
「それじゃ改めてよろしくねぽち。」
「わんわんわん♪」
「さてと…今宵の宴はまだ続きそうだね。」
マインドブレイカーたちの多くの目的は自分の力を増すこと。
そのための近道は同じマインドブレイカーを倒すこと。
ならば…彼らにとって戦いは必然だった。


二回戦

「次はイレイザーのドラゴンが相手か…急がないとやばそうね」
しかし先に動いたのは相手だった。
相手が支配したのはィアーリス。ドラグーンの女王だ。
「やばっとりあえずこれ以上の覚醒だけは阻止しないと！」
彼女の指示で、彼女の支配下にあるダークロアの少女たちが力を放つ。
その力は茨の形となり、相手MBに絡みついた。
茨に邪魔され思うように力を行使できない相手。
とはいえ、すでに覚醒してしまったィアーリスは脅威だった。
「これじゃ雪乃を覚醒させるのは無理そうね。」
先ほどの戦いの後で一度落ち着いた雪乃はひ弱な少女に戻ってしまっている。
こえでは覚醒させる前にィアーリスの竜が放つブレスに焼かれるのが関の山だろう。
「しょうがない、茨の枷で妨害しつつ…出番だよぽち！」
「了解ッス！全力全開ッス！」
「その台詞をいっていいのは青い人達だけだよ。」
ィアーリスの覚醒を遅らせたこと、ダークロアの能力者たちの耐久力の高さが功を奏して、
なんとか彼女の有利な状況を作り出していった、が。
「ィアーリスが完全に覚醒したか。」
出るのが遅れた鬱憤を晴らすかのように彼女に向かってブレスを放つィアーリス。
「いったぁ…思ったよりきいたぁ。」
「大丈夫ッスか、ご主人様！？」
「やっぱ急がないとだめそうね。ぽちこれを使って。」
「任せるッス！」
彼女はぽちに妖刀“村正”を握らせる。
さすがにこれはまずいと思ったのか相手MBはしばらく考えた後、もう一度ィアーリスにブレスを彼女に向かって放つように指示した。
「きつぅ…でもこれを耐えれば…。」
が、
「ごめんぽち…やっぱ無理。」
彼女はがっくりと膝をついたのだった。

三回戦

「いたた…あーでも敵はまだ来るのね。」
今度はE.G.Oの能力者を中心としたMBとの戦いに入った。
戦いの途中、相手の主力であろう少女の登場に彼女は驚愕した。
「…そんな…そんなことって！」
「どうしたッスか。ご主人様？」
「このボクをもってしても…男の子か女の子かわからないなんて！」
「そういえば匂いでもわからないッスね。」
そう少女というのはもしかしたら間違いかもしれない。
その娘からは男としての気配、女としての気配両方が感じられた。
そして、その娘の力は意外な形で発揮されるのである。
「…なんか来るよ！」
ふとその娘の女としての気配が強まったかと思うと、強烈な精神攻撃があたりを襲った。
「ちっあれのせいでまた雪乃を覚醒させられないじゃん。とりあえずまた茨で…。」
茨の束縛は確かに強いが、それも長くは続かない。
じわじわと相手は状況を整えていく。
「今度は男の気配が強まった！？」
刹那、彼女の支配下の少女が一人倒れる。
「なるほど、男と女シフトチェンジするときに力を発揮するのか、なかなか面白いじゃん。」
つらいながらもなんとか状況を整え、ぽちを覚醒させる。
だが気付けば残りの力あとわずか…。
「ご主人様そろそろやばいッス！ぽち突貫するッス！」
しかしぽちの突貫もあまり効果をなさず。
「耐えられそうもない、か。」
性別不明の娘の攻撃で、彼女は再び地に伏せることになった。

エピローグ

「おーい、生きてるかー」
「…なんとかね。」
なんとなく戻ってきた夜羽子につつかれて彼女とぽちは目を覚ました。
「面目ないッス。」
「いや君のせいじゃないから、さすがにブランクが長かったからかなぁ。」
「ふーん、それじゃちょっと修行でもして見る？最近いろいろあって新人教育が遅れてるんだよねー。」
「ダークロアは組織って言うより寄り合いだもんね。それじゃまぁお邪魔しようかな…っていいの、MBが行っても？」
「あんたはどっちかっていうとこっちよりでしょ。それに最近はどこもMBと手を組んでるよ。」
「あれま、そうだったんだ。それじゃ遠慮なく。行くよぽち。」
「了解ッス！久しぶりに前の前のご主人様にも会いたいッス！」
「前の前のご主人様って？」
「エルゼばばぁ。」
「あー、なんとなくぽちが君にいきわたった経緯が読めたよ。」
こうして三人は夜の街を後にしたのだった。
to be continued?

補足（キャラ編）

・主人公
プレイヤーの代理、だってプレイヤー自身主人公にしても面白くならなそうだしｗ
いわゆるボクッ娘…娘？
かわいい女の子が好きだが、男でも女でもOKな人なのである意味非常にMB向きといえる。
プレイヤーと付き合いが長い人にはおなじみの娘、でも今回は名前は出てこないのでずっと「彼女」と表記される。
夜羽子や美鈴など各勢力の重鎮とはそれなりに面識があるっぽい。

・ぽち
駄犬。フラグメンツの性格そのままで。
やたらと「ッス」が多くなってしまった気がしなくもない。
まてができない犬は総じて駄犬というが、プレイヤーの実家の犬はまてができない。
お手やお座りもできない。
でも伏せはできる、謎。

・夜羽子
いろんなアクエリのメディアミックス作品に登場してるが、わりと性格が統一されてるため書きやすいキャラ。
以前日記にも書いたが、夜羽子や美鈴は某コミック準拠。
フラグメンツの作者も某コミックの原案やってるから問題ないだろう。
いつか真由美を吸血鬼にしてくれるとほのかに期待。

・美鈴
某コミック準拠なため、百合シチュが好きな人に。
文中でも書いてるが、霊体になってさぞかし百合シチュ集めが楽になったことだろう。

・涼ちん…もとい、ミコト
これを書いてる時点ではまだプロフィールが公開されていない。
正直男か女かは謎のままでいいと思う。
男の娘か、男装少女かどっちかは使う人の脳内しだいでｗ
あるいはほんとうにどっちもついているって可能性も（マテ
次回はこの娘を使うつもり。

補足（試合内容編）

・一戦目
雪乃クソゲー。それ以外に何か言うことでも？

・二戦目
今回急造のデッキだったためィアーリス一段ににらまれてるだけで雪乃がでないとかいう情けない状況に。
それでもなんとかぽち村正までもっていったんだけど…
ィアーリス砲本体10点中7点…ＯＴＬ

・三戦目
二戦目と同じ理由で雪乃が出せない。
というか先にエンジェリックミコトまで出させてるあたりだめっぽい。
茨の枷でやたらミコトが落ちた気がする。
二戦目もそうだが多段やデュアルにたいして茨の枷は相当な嫌がらせ。
ミコト組む際はぜひノーブルオウルを入れておくことをお勧めする、というかプレイヤーがそうする。
結局じわじわと不利な状況に追い込まれ、ぽちの特攻むなしく敗北。

・その他
現環境絶対強いと思った「悪夢の騎士」がまったく活かせなかった。
でもやっぱバインド多すぎでつまざるを得ない。
茨の枷はあきらかに杯最強の壊れだと思う。
無限ループって怖くね？

デッキレシピ
急造なんでキャラがめちゃくちゃだが気にしない

キャラ（２８）
忍犬使い４
羅盤師４
ビッグフット２
暴走族２
墓参り猫４
化け比べカップル４
ドーベルメイド４
番犬兵４

ブレイク（１８）
現巫女“厳島美鈴”２
クリムゾンメイド４
雪女“雪乃”４
野良少女“宿利原ぽち”４
愛玩少女“宿利原ぽち”４

その他（１４）
ビッグフットスーツ４
妖刀“村正”２
茨の枷２
魔神転生４
悪夢の騎士２

あとがき
そんなこんなでつたない文章ですがいかがでしたでしょうか。
しばらくはこんな感じでレポートもどきをあげていこうと思います。
なんか講習会や、現役MBさんたちのおかげで新たに参入する方が増えてるようでうれしい限り。
俺も復帰組ですが、少しは貢献できればいいなぁと。
それではまた次回！

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